建物の劣化と管理

 10月1日に横浜市中区でビルの外壁が落下し65歳の男性が亡くなりました。

 亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。

 実は、数年前には近所のショッピングセンターでも死者やけが人はでませんでしたが、同じように外壁の一部が落下がおきました。世間には老朽化したビルが多く、台風などが来なくても外壁や看板の落下は沢山起こっているのではないでしょうか。

 私は昔、大手と呼ばれるマンションの管理会社に勤務していました。その際の経験で申し上げると、例えばどこかで老朽化や劣化にて看板が落ちましたといった事故がテレビやネットのニュースで流れると本社の「マンション管理事業本部」といった本社の部署から通達が各支店・各担当者に流れてきます。

 「至急、自分の担当物件の安全を確認せよ」と・・・・・・。

 しかし、具体的にどうすれば良いのか指示や実施する予算はない訳です。ただ安全を確認しろと言われても、例えば高所にあるビルの袖看板が劣化していないのか、グラついていないのか、いち担当者レベルで出来るのでしょうか。出来るとすれば担当物件の下から高所にある袖看板を見上げることくらいです。

 会社にて高所作業車でも手配していただければ、高所の恐怖を我慢して、上に登って看板の確認することもできましょうが、そういった費用が掛かるものは会社では負担しませんので、結局は放置される形にならざる得ません。 

 もしも、今回のような事故がおきれば、会社としては至急、全物件を確認するように指示したが、担当者が十分な確認を行わなかった。といった形で処理されるのではないかと考えておりました。

 会社も全社員を路頭に迷わせないためには、たまたま事故が起きた物件の担当社員に責任を取らせて会社の責任を軽くする。といったことが私の中では想定できました。

その際には「悪いようにはしないから・・・・・・」といったフレーズが語られるのでしょうか。あくまでに私の推測です。

維持管理はお金にならない⇒意識改革をするしかない

 上記のようなブログを書いている最中に、「東日本・西日本・中日本の高速道路公団で維持管理に手抜きがあった」とのニュースが入ってきました。会計検査院の報告で明らかになったようですが、トンネル内の内壁パネルの裏側を検査していなかったとのことです。2014年には笹子トンネルの崩落事故で9人が亡くなっているのにそれから5年も経たないうちに、この有様です。

 その最大の原因は、維持修繕はお金にならない。といった意識ではないでしょうか。事故が無くて当たり前なのですが、その当たり前を維持するためには莫大なコストが必要なことを管理者や利用者が認識することが大切だと思います。

 日本は、現場力がある国です。何か問題があると現場の方々の創意工夫や努力で何とかしてしまう。これが日本の良い面でもあり、悪い面でもあります。経営は現場力に必要以上に頼った経営をしてはならないのではないでしょうか。

 必要な費用を確保するためには、現場だけに丸投げせずに経営者が先頭に立って、顧客に説明していく必要があるかもしれませんね。